世界都市史上最大の空室率20%
- 東京の渋谷区、新宿区、港区は、賃料下落10%超、空室率中小ビル20%超
- 大坂は賃料大幅下落15%超、空室率中小ビル25%超
- 福岡は賃料横ばい(これから下落局面か?)、現状維持空室率中小ビル10%未満
- 名古屋は賃料やや下落5%程度、空室率中小ビルは10%未満
※スーパープレミアムビル、ハイスペック、環境対応の超大型ビルは賃料の下落率も5%未満、空室率も5%未満、危機対応能力は依然高い
世界中から人・物・金・情報が集まるアメリカの付加価値賃料は高く、中国リスクの影響が大きい、香港不動産賃貸の賃料下降は大きい。不動産売買価格は、2019年コロナ前の水準を全世界大都市はかろうじて維持、もしくは下落率は微減である。これは全世界が*MMT理論を根拠とし*PBを一時凍結結果として、マネーが大幅に滞留し、貨幣の価値が大幅に下落したと考えるべきと思われる。石油高騰、資源高騰、Woodショック、アメリカ経済の経済基盤は強靭のため、エンド価格の値上げは可能である。しかし、日本は30年続いた「良いものを安くから、良いものを高く(適正価格)に価格転換に挑戦しなければ、生き残りも勝ち残りもできない。もはや、日本の産業構造を占める製造業のGDP比率は20%、労働人口は15%程度である。日本経済の法人99.7%は、中小企業のサービス業が圧倒的多数であり、サービス業を取り分け、中小企業を元気にしなければ、日本の成長戦略が描けないのが現実である。
そのために実行しなければならないこと、
- 高く売る ※プロダクトバリュープロポジション(バリューを提供して高く売る競争)
- DXのさらなる推進 ※face to faceを価値ある機会。マニュアルはないが、バリューはある
- 守りと攻め ※FLR6割を目指す(DXによる事業再構築・*USPのブラッシュアップ)
1,2,3を実行、クイックにサーベイ、クイックに改善の繰り返しをやらなければならない。私たちには、解はありません。
内部*人財がいなければ、DXはアウトソーシングを活用しマーケティング、システム、セキュリティまで専門家*SIerを活用する。また1,2,3のインフラ構築ステージをクライアントとともに共創する専門家*ワークプレイスストラテジストを活用する。国、都道府県、官庁すべてが事業再構築補助金を準備しているので、事業再構築に挑戦すべきである。前向き、外向き、上向きが明日の成功をつかむ姿勢である。
グローバルスタンダードが確立されるーグローバルスタンダードを使い倒す
- 会計基準はIFRS(国際会計基準)
- 世界品質保証はISO9001
- EU一般データ保護規則はGDPR
- SDGs、ESG投資はCop26
世界の大国は、大きく分けると3つ。米+英連邦・EU・中国である。この三国の意向でグローバルスタンダードが決まる。
グローバルとは、まさに経済国境なき世界である。世界の政治体制、民主主義も全て違う。法律も違う。
現在グローバル企業は世界の五大陸でビジネスを展開している。勝ち組、負け組、二元論、二極化により、世界の民は不公正感を持ち活動している。その声がサイバー上にあふれ、政治、国家、企業の活動に甚大な影響を与える。世界は今、SDGsに舵をきった。もはや企業のビジネスはSDGsでなければ人財も集まらないし、エクイティという投資マネーも集まらない。この錦の御旗に抗う企業は、近い将来淘汰される運命にある。
私たち、中小カンパニー経営者は、グローバルスタンダードを使い倒す覚悟が求められる。全てのビジネスはデジタルシフトし、再定義される。業界と業界の商慣習による住みわけも液状化される。自ら激変に対応する覚悟と行動力が求められる。
ワークプレイスストラテジストの私は、専門のワークプレイスを論じる。
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※オフィスビルのグリーン投資
グリーン投資(英語:Green Investments)とは、環境問題を考慮した投資である。とりわけ欧米の金融投資家が投資決定をする際の分類として確立されてきている概念であり、金融投資から見落とされてきた環境問題等の経済外部性を投資判断の考慮にいれている点が従来と大きく異なる。
日本の三大都市の空室率は、戦後最大
東京マーケット、日本の大都市不動産マーケットの空室率は戦後最大である。次の成功戦略として米・英・EUはグリーンプレミアム(※環境 に優しい代替策を使用する際に発生する追加コストのこと)にスタンダードを定めた。日本の不動産賃貸においてもグリーン認証に向け、ロケーションの良い土地建物は大規模改修、大型共同ビルを開発する。ここにビジネスチャンスが生まれる。
ビルインの中小カンパニーの経営者は、スクラップ&ビルドのワークプレイス移転からリユース・リサイクルに向かう。 米・英・EUの賃貸契約のスタンダードとの違いは、下記の通りである。
- 普通賃貸借から定期建物賃貸借契約(中途解約不可のリスクコントロール)
- 転貸借不可(サブリース)から転貸借無条件承諾
- 原状回復義務、移転先B工事の可視化と明文化、適正費用
- 指定業者制度から所有権に基づく賃借人の自由選択発注の履行(テナント費用負担の工事業者はテナントが決める)
2のサブリースビルオーナー無条件承諾により、テナントの賃借人は、定期建物賃貸借契約の中途解約リスクをコントロールできる。入居時の賃貸借契約を遵守しつつ、VUCA時代の変化対応が可能となる。
また、スクラップ&ビルドから、リユース・リサイクル、一部カスタマイズに向かうと思われる。
リモートワークが浸透し、働き方が見直され、サイベーし、働き方をデザインする現在、今の日本の賃貸借契約はあまりに硬直化し、変化に対応できない。ビル仕様も建築基準法もビル管法も全て見直しが急務である。既得権益者をぶっ壊す!!(覚悟と行動で)
世の中を、社会を透明、公正にすることがSDGsである。
最近のケースでは、200坪のワークプレイス、働き方をデザインした結果、リモートワーク+オフィスデイ+セカンドプレイスの活用で、本社は50坪が最適解との結果となった場合、一律に200坪のオフィスを基準階仕様に原状回復する。それも5年、10年前のスペックに回復する。
サブリースの無条件承諾により200坪-50坪=150坪の有効活用(サブリース)を実施することが合理的であり、SDGsである。良いものはリユースする。一部カスタマイズする。ここに新しいワークプレイスのビジネスチャンスが生まれる。当然、テナントには不動産賃貸、建築工事、設備工事、DX、法務、全てがつながって、ひとつの事業のワークステージを共創する時代である、専門家(ワークプレイスストラテジスト)のニーズは高い。
「グローバルのスタンダードを使い倒す」
各業界に横串を通すと、会社と会社、部門と部門の擦り合わせに問題が発生する。そこを予測し、理想のワークプレイスを共創する人財、DXはSler、ワークプレイスストラテジストである。そこにビジネスチャンスが生まれる。ワークプレイスに完成はない。明渡し後もオペレーションを検証、改善し続ける。変化対応。そんな時代が現在である。
働く人々の*QOLと生産性向上の実現こそ、企業経営の使命である。
未来は誰にも分かりません。解も教科書もありません。できることは理念と使命を高らかに掲げ、迷ったとき、理念と使命をもとに考え行動するしかありません。
未来の不透明な今こそ、過去というファクト、歴史に学ぶしかありません。幸いサイバー空間にはファクトがあふれています。(米・欧・中・その他諸外国)
「DX?」「リモートワークとは?」「理想のワークプレイスとは?」を考え続けている経営者の皆様に言葉を贈ります。
唐書:太宗 李世民
「古を以って鏡と為せば、興替を知るべし」
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
*MMT理論:現代貨幣理論
*PB:基礎的財政収支(プライマリーバランスのこと)
*FLR:Fは「food」で材料費、Lは「Labor」でアルバイトや正社員にかかる人件費、Rは「Rent」で家賃(賃料)のこと
*USP:「Unique Selling Proposition」の略。商品やサービスが持っている独自の強みを意味するマーケティング用語
*人財:人は会社の経営資源である財産であるということ
*SIer:クライアントのシステム開発や運用などを請け負うサービス事業者のこと
*ワークプレイスストラテジスト:働き場、働く環境を改善するために、分析、調査し、より新しく、よりその企業らしく、より人々が働きやすいワークプレイスを創造する専門家のこと
*QOL:「Quality of Life」の略。「人生の質」や「生活の質」のこと
*事業再構築補助金:新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編又はこれらの取組を通じた規模の拡大等、思い切った事業再構築に意欲を有する中小企業等の挑戦を支援(https://www.meti.go.jp/covid-19/jigyo_saikoutiku/index.html)
萩原 大巳 (Hiromi Hagiwara)
一般社団法人RCAA協会 理事長
オフィス移転アドバイザーとしての実績は、600社を超える。原状回復・B工事の問題点を日経セミナーで講演をする。日々、オフィス・店舗統廃合の相談を受けている。オフィス移転業界では、「ミスター原状回復」と呼ばれている。 |