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中国不動産バブル崩壊、日本の不動産値崩れがはじまる?

目次

    中国は、恒大集団の経営危機、不動産規制、ゼロコロナ政策、GDPに占める不動産建築関連は3割、そのバブルが崩壊しました。

    激震の中国経済、中国大手インターネット調査によると67%の人が不動産は値崩れすると回答しており、住宅販売件数は2019年対比で39%下落しています。深圳、上海のスーパーグレードマンション1住戸を売れば、東京都心に一棟が買えると言われた中国マネー、華僑マネーは、日本の不動産にも大きな影響を及ぼします。

    日本の不動産の大幅値崩れを私たちは戦後2度経験しています。30年前の不動産バブル崩壊から金融危機、リーマンショックです。

    本コラムでは、今中国不動産業界で何が起きているのか、日本の不動産に甚大な影響を及ぼす可能性について筆者がわかりやすく解説します。

    中国不動産バブル崩壊の今

    中国不動産開発は、事前販売制(プレセール)でマンション建築着工前から売りに出されます。完成前に代金の半額程度(物件事代金を設定)を支払う商習慣です。

    ①中国不動産バブルの実態は砂上の楼閣

    開発業者(デベロッパー)は回収した資金を次の開発プロジェクトに回すという経済成長前提のビジネスモデルであり、不動産は値上がりする『土地神話』を大多数の市民は信じていました。購入者の64%程度は投資目的であり実際の需要ではないので、これは砂上の楼閣であり自転車操業です。

    住宅の販売がコロナ前より39%下落した現在、中国デベロッパーは次々と破綻しています。その金額たるや500兆を超えると言われています。なんと恒大集団1社で34兆円の債務です。事前販売制ビジネスモデルは崩壊しました。

    ②政府の規制強化により不動産建築関連業界は恐慌

    2020年8月、中国政府は「三道紅線」と呼ばれる規制強化の方針を打ち出しました。

    銀行融資の規制

    過剰な不動産投資を抑制し格差を是正、共同富裕を目的に実施されました。この結果、総負債比率に抵触した企業融資に制限がかかり、40社を超えるデベロッパーが次々と債務不履行に陥り、ますます債務不履行企業は増大しています。(これは日本の総量規制と酷似しています)

    ③青田売りの未完成問題に伴うローン支払い拒否とは?

    中国では、事前販売制(青田売り・プレセール)で購入者は住む前からローンの支払いが始まります。その上、内装も設備も自分の費用負担でカスタマイズします。(スケルトン渡し)

    デベロッパーは資金繰り難に陥り、建築会社は工事を止めます。信用不安は増大、購入者も建築会社も下請けも、デベロッパーに「債務を履行せよ」と押しかけます。これが大きな社会問題となっています。購入者の支払い拒否のローンだけで、分かっているだけで4,200億ドル(55兆4,600億円)と、理財商品 まで入れると巨額すぎて予想もつきません。その上、鬼城(ゴーストタウン)もますます増えています。

    ④日本の不動産価格の影響を大胆予測!

    中国の不動産バブルは人類史上最大です。この巨額の不良債権処理は世界経済史上前例がありません。その上、華僑7,200万人の行動予測は誰も解らないのが現状です。

    私見ですが、コロナ禍の東京都心部の不動産、人気観光地の不動産の金主は外資です。既に華僑マネーは本土からも香港からも逃げ切ったと思います。東京のマンションの販売価格はバブル期まで回復しています。華僑マネーは日本の不動産が下がれば直ぐ買い付けに動きます。世界の投資資金も、東京の不動産ポートフォリオは外せません。

    東京の不動産、7大都市で立地の良い土地建物は値崩れしないと予想します。しかし、立地が悪く建物もグレードの低い不動産は値崩れします。

    土地建物も二極化、時代の大転換期です。GX[1]、DXにより遅々として進まなかった中小ビルの再開発が始まります。東京の2023年問題[2]も目が離せません。世界も日本もますます混迷を深めています。それでも繁華街の開発は進みます。EGS投資[3]でなければテナントも借りてくれない時代になると思います。

    華僑からみたら所有権の保証のある日本の不動産は魅力があると思います。子供から孫に、また次の子孫に、強かに財産を残してきた華僑は長い目で投資をします。毎年決算で利益やリターンを追求する米英欧の投資マネーとは違う投資です。

    サラリーマンが持ち家として購入するマンションや一戸建ては少子高齢化で徐々に衰退していきます。リモートワークが普及して、熱海や三島、静岡など新幹線が使え、風光明媚な土地はますます上昇すると思われます。

    [1] GX(グリーントランスフォーメーション)…温室効果ガスの排出をなくし再生可能エネルギーへの移行をはじめとした先進的な取り組みを通じ、経済社会システム全体の変革を目指す戦略

    [2] 2023年問題…働き方改革関連法の施行や社会情勢の影響で起こり得る諸問題のこと、オフィス面積の大幅増床の問題等

    [3] EGS投資…環境・社会・企業統治に配慮している企業を重視・選別して行なう投資のこと

    ⑤世界経済への影響

    中国の不動産バブル崩壊は、人民元決済が一部の国にとどまるため限定的との意見が多く見受けられます。一部の専門家からは、最悪の場合リーマンショックを超える影響を世界経済に与えるとの意見もあります。

    筆者の所見としては、破産法が民主主義国家と異なるため一概には言えませんが、デベロッパーの事業をセグメントに区分けして中国大手企業に無理やり吸収させるなど、ウルトラCを強行に押し進めソフトランディングさせると思います。

    いずれにしても中国経済は長い低迷期に突入するでしょう。中国政治は不安定化要因が多く、難しい局面の真っ只中です。

    日本への甚大な影響

    ①過去の実例から未来を考察する

    バブル崩壊

    今回の不動産規制(三道紅線)は、日本の1990年大蔵省通達で実施された「総量規制」に酷似しています。

    目的は、上がりすぎた不動産、「土地は誰のものか?」真面目に働いても家もマンションも買えない、という世論に押された大蔵省通達でした。その後、1997年の山一証券、拓銀、長銀破綻に始まった金融危機、それから失われた30年や20年などと言われる長いデフレという低迷期に入りました。

    総量規制が愚策であった事は歴史が証明しています。幸いにも円決済は世界であまり使われていなかったため、日本経済には甚大でしたが世界経済に影響は余りありませんでした。

    リーマンショック

    当初日本の金融アナリストは、日本の金融機関は金融商品をあまり保有していないため日本経済への影響は限定的との意見が多数を占めていました。しかし現実は、全ての物が流動化されレバレッジをかけて財務戦略ともてはやされ、ドルは基準通過として世界中で使われ100年に一度の恐慌と言われました。

    不動産業界でも、不動産の証券化・流動化のビジネスモデルで上場した新興不動産会社48社のうち42社では、破産法の民事再生法申請ADRも活用されました。証券化の代表ダビンチさえも経営危機です。残存会社はますます強靭になりました。

    世界経済をけん引したのは間違いなく中国華僑マネーでした。これを機に世界における中国の発言力は増し、香港上海銀行(HSBCホールディングス)は、中国、華僑マネーを取り込み世界一の商業銀行、金融グループになりました。

    インバウンドは爆増するか?

    コロナ前は、来日観光客3,000万人うちの3割、900万人が中国観光客でした。観光客が日本で使うお金の4割は中国観光客でした。2023年1月現在、オミクロンは弱毒化したとはいえ中国では爆発的に感染者を出しています。いつ治まるか、一度規制を緩和したため見当がつきません。残念ですが2023年は中国人観光客は期待できないでしょう。

    中国の人民元は世界ではあまり流通していません。日本のバブル崩壊と同様に通貨の停滞による影響は限定的と予想します。それでもインバウンドは爆発します。我慢と巣篭もりも限界です。安い日本にアジアから世界から観光客は激増します。日本ほど安全で親切、文化に裏打ちされ風光明媚、食は美味しくヘルシーな国はありません。中国のオミクロンが下火になれば、来日観光客は5,000万人を超えます。ビックチャンスをゲットして下さい。

    ②日中貿易、中国は日本最大の輸出国

    中国とアメリカの2大超大国は経済でも軍事でも対立しています。日本の最大の貿易相手国は中国です。部品素材産業の強い日本、メイドインジャパンが大好きな中国人、日本全体の輸出額に占める中国向け輸出は26%と巨額です。特に中国の不動産バブル崩壊の今、これから建築資材はあまり、価格は下落していきます。それに伴い建築の請負単価も下落、不動産価格の値崩れの可能性も否定できません。

    ③日本の不動産需要は少子高齢化で低迷する

    人口構成は正確なデータです。2021年の出生数は80万人、死亡者数は143万人と、このままいくと毎年60万人以上の人口減少です。その上、一人あたりのGDPは韓国にも台湾にも抜かれて世界36位です。先進7カ国どころか20カ国にも入りません。もはやミレニアム世代、Z世代は、東京や7大都市では自宅購入は厳しいです。

    戦後初めて東京の人口微減が顕になりました。デジタルネイティブの世代はリモートワークにいち早く対応しています。東京に近く、子育て世代を応援する地域に自宅を借りたり買ったりします。自然が豊かで、教育も福祉、医療も充実している地方を選びます。長いスパンでみたら住宅市場はシュリンクしていきます。この対策としては、中小個人経営の生産性向上と移民しかありません。

    岸田総理は30万の留学生受け入れを発表しました。若い知的ワーカーの移民政策を進める良い機会です。

    事業用不動産の賃貸に与える影響を大胆予測

    オフィスは集約から分散に流れが変わしました。We Workやリージャスなどのサブリース、SOHO、コワーキングスペースなど様々な選択肢が出現し、ワークライフスタイルに適応したワークプレイスが多く見受けられます。スーパープレミアムビル、Aグレードビル(以下、ハイグレードビル)は人気は高く、家賃も微増傾向です。環境に優しく、共用施設も充実、セキュリティも万全、その上5G対応。

    しかし、裏通りの中小ビルは空室率も高く家賃は値下げ傾向です。この中小ビルも、近未来はGX対応のビルに生まれ変わります。その時はより大型化した共同ビルで安全面も新耐震基準をクリアしていることでしょう。オフィスビルも地下、低層階は店舗が入る中規模の複合ビルになっていることでしょう。もはや融資もESGが最大の考慮要件となります。

    中小・個人経営会社413万社の負債はコロナ前の3倍です。生き残りを賭けて業態変化・企業再生に挑戦します。

    1990年、中小・個人経営会社は500万社といわれました。起業より廃業が多い日本、マーケットはシュリンクしています。まさに時代の大転換期です。

    店舗業界は、毎年10万店舗がオープンし10万店舗が閉鎖する業界でした。2022年の上半期の新規オープンは3万店舗を下回ったと聞きます。

    ここはバリューを提供して値上げ可能な業態に変化しています。DXをフル活用してモバイルオーダー、宅食などキャシュポイントが多様化していることでしょう。

    この変化はビックチャンスです。ビル丸ごとリノベーションも多くなります。今までの一式請負から代理人型*CMも多くなります。

    店舗閉鎖、業態変化、新規オープン、いずれも日本独自の原状回復費高騰問題、B工事費高騰問題、海外に比べて莫大な預託金(敷金)の問題が発生します。この障壁を突破することで起業のハードルは大きく下がります。テナントから選ばれる土地建物でなければ賃貸業もいずれ成り立たない時代になると思います。

    最後に、

    『暗夜に閃光』 資本性劣後ローンと事業再構築に挑戦して下さい。

    皆様の成功を陰ながら祈願いたします。

    執筆者より(一般社団法人RCAA協会理事兼事務局長 萩原 大巳)

    本コラムは、協会理事の方々、協会会員の代表者及び大学教授、Ph.D、他専門家と中国経済のバブル崩壊について意見交換したことを分かりやすくまとめたコラムです。

    未来は誰にもわかりません。あくまでも筆者の個人的見解とご理解下さい。

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    投稿者プロフィール

    萩原 大巳
    萩原 大巳理事
    【協会会員】株式会社スリーエー・コーポレーション 代表取締役CEO
    ・ワークプレイスストラテジスト
    ・ファシリティプロジェクトマネージャー

    オフィス移転アドバイザーとしての実績は、600社を超える。原状回復・B工事の問題点を日経セミナーで講演をする。日々、オフィス・店舗統廃合の相談を受けている。オフィス移転業界では、「ミスター原状回復」と呼ばれている。

    B工事や原状回復の費用に、納得がいかないままサインをしないでください。私たちは、不透明な業界の慣習を正し、適正で公平な取引が当たり前になる社会を目指しています。一人で悩まず、まずはあなたの不安を私たちに聞かせてくれませんか?

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