「フレキシブルオフィス」は働く場、ワークプレイス戦略は人材戦略である

2023.06.28

「フレキシブルオフィス」は働く場 ワークプレイス戦略は人材戦略である

 

「フレキシブルオフィス」、「サービスオフィス」、「コワーキング」は、オフィスに対する新しい考え方や利用方法を示す用語であり、働き方改革やリモートワーク、ハイブリットワークの普及に伴い、その需要は高まっています。

 

新しいオフィススタイル「フレキシブルオフィス」「サービスオフィス」「コワーキング」とは?

まず、「フレキシブルオフィス」について説明します。これはその名の通り、柔軟性の高いオフィスのことを指します。フレキシブルオフィスでは、スペースのレイアウトや使用時間、使用場所などが自由に設定可能であり、企業のニーズに応じて柔軟に対応できます。これにより、企業は不要なスペースを抑えることができ、また急なスタッフの増減や事業展開に対応しやすくなります。

 

次に、「サービスオフィス」について説明します。サービスオフィスは、家具や電話、インターネット接続など、オフィス運営に必要な設備が全て揃ったレンタルオフィスのことを指します。通常の賃貸オフィスでは自分で設備を用意する必要がありますが、サービスオフィスでは初期投資を抑えることが可能です。また、受付や清掃、保守などのサービスも提供されるため、オフィス運営にかかる手間や労力を大幅に軽減できます。

 

最後に、「コワーキング」について説明します。コワーキングは、異なる企業やフリーランスの人々が同じスペースで働くことを指します。コワーキングスペースでは、デスクや会議室、インターネット接続などの基本的なオフィス設備が提供され、必要なときに必要なだけ利用することができます。また、多種多様な人々との交流を通じて新たなアイデアやビジネスチャンスを生み出す場ともなります。

 

フレキシブルオフィス、サービスオフィス、コワーキングは、それぞれ異なる特徴を持ちつつも、共通しているのは「オフィスを自由に、効率的に利用する」ことです。これらは、従来の固定的なオフィスとは違い、働く人々や企業のニーズに応じて自由に変化し、利用できるという特徴を持っています。具体的には、リモートワークやテレワーク、ハイブリットワークの増加、働き方改革の推進、企業のオペレーションコスト削減、事業拡大や縮小に伴うスペースニーズの変化など、多様なニーズに対応することができます。

 

フレキシブルオフィスは、企業の成長や縮小、プロジェクトの増減に応じて、必要なスペースを自由に調整することができます。また、オフィスもハブ&スポークがトレンドです。セカンドオフィス、サードオフィスなどの組み合わせにより、自社にとってベストなオフィス環境を創造できます。まさに、人が主役のワークプレイス戦略です。

 

サービスオフィスは、オフィス設備や管理に関わる手間やコストを削減することができます。初期投資を抑えることができ、オフィス運営に必要なサービスが一手に提供されるため、企業は事業運営に集中することができます。特に、新規事業を立ち上げる際や、海外進出する際などには、サービスオフィスの利用は有効な選択肢となるでしょう。

 

コワーキングスペースは、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が集まり、共有のスペースで働くことで、新たな視点やアイデアを生み出すことができます。また、コミュニティ形成や交流の場としても機能します。フリーランスやスタートアップのような小規模な組織にとっては、低コストでオフィス環境を利用できる点も大きな利点です。

 

これらのオフィススタイルは、企業や働く人々が自分たちの働き方を最適化し、より生産的で効率的な働き方を実現するための選択肢を提供しています。組織の規模やニーズに合わせて、これらのオフィススタイルを組み合わせることも可能です。現代の働き方の多様性を反映した、これらの新しいオフィスの形は、今後ますます進化し、広がっていくでしょう。

 

それぞれのオフィス形態が提供する利点は、コロナウイルスの感染拡大などによる働き方の変化と共に、その価値をさらに高めています。リモートワークやテレワークが増える中、フレキシブルオフィスやコワーキングスペースは、オフィスへの出勤が必須でない職場の選択肢として注目されています。また、サービスオフィスは、従業員が分散して働くことを可能にし、企業が健康と安全を確保しながら事業を続けるための一助となっています。

 

これらの新しいオフィススタイルは、従来のオフィスワークの概念を大きく変えつつあります。物理的な場所や時間に縛られることなく、働く人々が自分の働き方を自由に選ぶことができるようになり、生産性や創造性の向上、ワークライフバランスの実現など、多くの可能性を生み出しています。

 

オフィス改革は、人材(HR)戦略です。これらの新しいオフィススタイルは、企業が人材を引き寄せ、その能力を最大限に引き出すための戦略として活用されています。フレキシブルオフィス、サービスオフィス、コワーキングは、それぞれが提供する独自の価値を理解し、適切に活用することで、企業は働く人々にとって魅力的な環境を提供し、同時に事業の成長と成功を支えることができます。Z世代は、リモートワーク、ハイブリッドワークで働くことを絶対条件と思っています。

 

以上が「フレキシブルオフィス」、「サービスオフィス」、「コワーキング」についての説明です。これらは新しい働き方の選択肢を提供し、労働環境の多様化を推進する重要な要素となっています。これらのコンセプトを理解し、適切に利用することで、企業は競争力を維持し、さらなる発展を遂げることができるでしょう。

 

執筆者 萩原 大巳のワンポイントアドバイス

働く環境をデザインすることは、ワークプレイス戦略であり人財戦略でもあります。

世界は金利も上がり、物価も上がり、給料も上がっています。日本も物価は上がっています。付加価値をつけて値上げ(適正価格)に挑戦して下さい。生産性を上げて給料も上げて下さい。働く人の体の健康、心の健康、経済の健康の調和を実現する、そのステージがワークプレイス戦略です。もはやミレニアム・Z世代の8割はリモートワークです。ハイブリッドワークは当たり前なのです。働く場の環境提供は、人財戦略と同義語と言っても良いです。

 

「フレキシブル(柔軟に)」

この言葉は変化対応のキーワードです。

 

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萩原大巳

萩原 大巳 (Hiromi Hagiwara)

一般社団法人RCAA協会 理事
【協会会員】株式会社スリーエー・コーポレーション 代表取締役CEO

  • ワークプレイスストラテジスト
  • ファシリティプロジェクトマネージャー

オフィス移転アドバイザーとしての実績は、600社を超える。原状回復・B工事の問題点を日経セミナーで講演をする。日々、オフィス・店舗統廃合の相談を受けている。オフィス移転業界では、「ミスター原状回復」と呼ばれている。