世界の自動車業界仁義なき合従連携がはじまった‼︎

2025.01.28

120年に一度の自動車革命の幕開け~アメリカ、ヨーロッパは馬車からエンジン自動車に10年で激変した!~

はじめに

トランプ氏の常識の革命

 

アメリカ合衆国第47代ドナルド・トランプ大統領の就任式は、異例の日と異例の演説で始まりました。
日本時間2025年1月21日(USA1/20の日没後)には、火星、木星、天王星、海王星、金星、土星が直列に並び、同時に観測できる大吉兆の日と言われています。

トランプ大統領は笑顔を見せず厳かな表情で、世界に向けて理想や理念を語ることはせず、ひたすらアメリカの一般労働者に対して、神から託された自らの使命を力強く語りました。最初の言葉は「アメリカの黄金時代は今から始まる」でした。

そのためには常識改革「Common Sense Revolution」を断行し、肌の色や性別、学歴に関係なく実力で評価される社会を実現すると確約しました。また、マーチン・ルーサー・キング牧師の「I have a Dream」の金言をアメリカン・ドリームとして引用しました。

トランプ大統領が理想とするアメリカは、軍事も経済も高等教育も、すべてにおいて世界一強い国です。アメリカ合衆国の礎を築いたモンロー主義のウィリアム・マッキンリー大統領(第25代、共和党)は、まさにMAGAです。

残念なことに、セキュリティのためなのか、屋内ドームで就任式が行われました。マッキンリー大統領は二度目の銃撃で暗殺され、その後を継いだセオドア・ルーズベルト大統領も狙撃されました。しかし、内ポケットに入れていた手帳のおかげで弾丸の威力が弱まり、心臓の手前で止まったことで、かろうじて死神を撃退しました。それでも彼はSP(シークレットサービス)を振り切り、血で赤く染まったワイシャツのまま演説を続けました。彼もまた、伝説の大統領でした。

 

病めるアメリカの現実は今も変わらない

トランプ大統領は、二度の暗殺を奇跡的に生き延びた「神に選ばれし」大統領です。
トランプ大統領の政策の一丁目一番地は、非常事態宣言を伴う不法移民対策と、緊急事態宣言を伴うエネルギー政策です。「Drill, baby, drill(掘って掘りまくれ)」という、アメリカンロックの大スターであるエルビス・プレスリーのように力強い魂の叫びを掲げました。

トランプ大統領の政策を実現する「チームトランプ」には、血の結束で結ばれたファミリーと、幾多の困難を乗り越えたスーパーリッチの大成功者たちが集まっています。人・物・金・情報・政治力がすべて揃っている、まさにドリームチームです。

 

トランプ新政権の13人の超富裕層

我が国はトランプ大統領をはじめ、したたかなリーダーたちと国益をかけてハードな交渉に臨まなければなりません。新日鉄によるUSスチールの買収は安全保障の危惧からストップがかかり、連邦政府を相手取って訴訟にまでいきそうです。日本の国防・安全保障の問題は最重要です。また、我が国の基幹産業である自動車の関税や、*OTA(オーバー・ザ・エアー)の問題、七兆円にも及ぶデジタル赤字とビッグデータのセキュリティの問題など、数え上げればキリがありません。

強者との交渉(ネゴ)は臆せず、摩擦を恐れず、明確に国益を主張することです。石破総理は5回も総裁選に出馬した総理大臣です。

まっすぐ相手の目を見て、
「私は⚫︎⚫︎をやるために4回も涙をのみました。⚫︎⚫︎は命を賭けてやり抜きます。しかし、⚫︎⚫︎は譲ります。私がアメリカにしてあげられることは⚫︎⚫︎です」
と明確に、きっぱりと伝えることです。気迫で遅れを取ってはなりません。

 

*OTAとは「Over The Air(オーバー・ザ・エア)」の略称で、無線通信を通じてソフトウェアやファームウェアを更新したり、設定を変更したりする技術のことです。スマートフォンのOSアップデート、カーナビゲーションの地図更新、自動車の制御ソフトアップデートなどがOTAの代表的な例として挙げられます。

 

 

石破茂しかない物語と幸運とは

  • 4回の落選を経て5回目で総理大臣に就任したこと
  • 同じ宗教(プロテスタント・カルバン派)……私たちは同じ宗教、同じ神を崇敬していること
  • 世界で1番アメリカに投資している国は日本(2024年、日本の投資総額は124兆円)

 

NISA・iDeCoによって日本の個人金融資産は貯蓄から投資へと向かい、アメリカの株式投資がますます増えます。安倍元総理大臣は世界のリーダーから尊敬され、トランプファミリーとも信頼関係で結ばれていました。
しかし、石破茂氏は素の自分で勝負するしかありません。どうか日本のために命を懸けて交渉に臨んでほしいです。成功を心より祈願いたします。

 

資本主義のメッカ~アメリカの今

トランプ大統領選は、アメリカ西海岸・東海岸対古き良きアメリカを目指す中部・南部の戦いでした。結果としては、スイングステート7州すべてをトランプ共和党が制し、下院・上院ともにトランプ共和党が制しました。

世論は二分し、麻薬中毒者とホームレスがたむろすることで荒廃した西海岸の中心街や、東海岸の大都市、それでもグローバルビッグテックは毎年最高益を更新し、ニューヨークのウォール街は隆盛を極めています。

世界のGDPの26%を30年継続して叩き出し、株式および金融の分野で世界の金融資産の68%がアメリカに集まっているのが、デジタル金融資本主義の今です。

さらに、トランプ政権はインターナショナルカレンシーである米ドルを一層強化する政策を目論んでいます。それがデジタル通貨「*DOGE」です。世界の名だたる仮想通貨を国家が毎年5%買い上げ、オイルやゴールドなどの実物資産を裏付けとすることで、デジタル通貨DOGEを世界決済通貨にしようとする計画が垣間見えます。

不法移民や犯罪シンジケートを、モバイルとGPS、スーパー軍事力、スーパーインテリジェンスをフル活用して追跡し、強権をもって取り締まれば、それだけで米国や中南米のアンダーグラウンドマネー5,000億ドル(約78兆円)を没収し、その資金をDOGE基金として活用できます。

まさに恐るべき最大最優最強のアメリカ・デジタル金融資本主義帝国です。FAGAM+NVIDIA+SNSなど、すべてのグローバルビッグテックはトランプ政権を背景に取り込むために擦り寄り、多額の寄付を行い、自ら情報を提供しています。これがアメリカの今です。

しかし、一人勝ちのスーパーリッチの勝ち組が、大多数の労働者に対してシャンパンタワーのように莫大な富を分配するかどうかは未知数です。願わくは、絶対多数の絶対幸福を実現してほしいと思います。それこそが、神に選ばれしレジェンド、ドナルド・トランプ大統領の所以ではないでしょうか。

 

*DOGEとは、暗号資産(仮想通貨)のDogecoin(ドージコイン)のこと。

 

マッタナシ‼︎25%関税の悪夢~日本の基幹産業自動車業界に激震‼︎

「トランプ関税」自動車産業への影響

 

日本の基幹産業である自動車関連業界で働く人の数は、560万人です。生産性は高く、平均年収も1,000万円を超えます。日本が誇れる製造業の代表です。

世界における競争優位も高く、メイドインジャパンは世界のブランドです。TOYOTAは名実ともに圧倒的世界一の製造業です。カンバン、すり合わせなどの日本語は、製造業における国際語となっています。

TOYOTAグループの時価総額は50兆円に迫ります。売上も粗利益も累計総資産も、圧倒的に世界一です。しかし、トヨタといえども国内売上は4割で、6割は世界で稼いでいます。

その6割に関税25%がコストオンされたら、恐怖です。特にアメリカでのビジネスは毎年伸び続け、日本は毎年微減しています。

日本国内で好調に伸びている地域は、九州エリアです。トヨタは北米およびアジア市場を見据え、レクサスを製造しています。ニッサンは北米市場向けの旗艦SUV・アルマダシリーズを製造しています。

 

メキシコから米国への自動輸出台数2024年

 

北米向けの大衆車(2万ドル以下)は、トヨタ、ニッサン、ホンダ、マツダともに、従業員の給料が安いメキシコに製造拠点を置いています。利益の薄い大衆車はアメリカ人の低所得者に支持され、大人気です。メキシコに工場を置く理由は、メキシコ人の人件費がアメリカ人に比べて4分の1で済むからです。それでもメキシコでは人気の職業です。

関税もゼロです。日本車だけで年間130万台、さらに北中南米の市場拡大を睨み、300万台までは増量産が可能な基本設計といわれています。

中進国のメキシコにとって、25%の関税は脆弱な経済基盤を崩壊させる危機です。北中南米およびアジア市場まで大衆車を製造販売するメキシコの夢は、夢幻のごとくなり……露と消えるのでしょうか。メキシコ日本連合の政治力で決まります。

 

120年に一度の自動車革命の幕開け2025~すべての自動車はOTAになる?

OTA

 

OTAとは自動車のスマホ化である。車がプラットフォームデータセンターと繋がり、内蔵された人工知能(ドラえもん)と話し、全て無人で目的地まで行ってくれます。これをL4「自動運転レベル4」と呼びます。

既に深圳では、ハードはレクサスSUVを使用してレベル4タクシーが頻繁に走っています。

OTAの開発費は莫大です。50万台でも2000万台でも開発費は同じです。OTAはスマホのOSと同じで、車の全てをリアルタイムで動かす頭脳です。スマホの世界はiOSとアンドロイドに集約されました。PCのOSもMicrosoftとAppleに集約されました。デジタル世界は規模の経済です。寡占され勝者総取りの世界です。

OTAの世界は移動中に動画を見たり、資料を作成したり、好きな音楽を聴いたり。夢の未来はすぐそこまで来ています。スマホのように自動でアップデートします。自動音声で「タイヤ交換の時期です」、「ウォッシャー液を入れてください」、地図も渋滞もリアルタイムで更新されます。

OTAは全ての車に関するビジネスを根幹から激変させます。アップデートできない車は中古車として買い手がつきません。車検も点検も必要ありません。駐車場、レストラン、すべて連れて行ってくれます。お迎えのピックアップも時間通りこなす。頼りになる可愛い「ドラえもんを貴方に」、そんな世界です。

 

バッテリーEV上位7社の世界シェア

 

OTAの世界はソフトウェアが定義した車をメーカーが造る仕組みになります。OTAを運用している自動車メーカーは米テスラと中国のBYDの二社しか存在しません。テスラは自前のソフトウェアで垂直型、プラットフォームデータセンターからバッテリーEVまで一気通貫体制を構築しました。BYDはNVIDIAのソフトウェアを使い開発しています。ハードはすべて世界で最も優れたパーツの寄せ集めです。

トヨタ王国もNVIDIAのソフトウェアを使い、米国、静岡裾野市で実装・実現を繰り返しています。BYDにも投資し、アライアンス体制を構築しています。かつてはテスラにも出資していました。わずか150万台のテスラの株価時価総額が200兆円の所以です。

NVIDIAの株価時価総額550兆円のワケもここにあります。台湾系米国企業NVIDIA。最先端半導体。TSMC、iPhoneの製造を受託しているホンハイ・プレシジョン・インダストリー。人工知能を活用する業界はすべて総取りを目論み、夢実現に向けて次の一手を打ち続けています。政官産学すべて一丸となり、目標に向かい進み続けています。台湾のエスタの活躍はめざましいです。

 

世界の自動車業界の仁義なき合従連携が始まった~バッテリーEV or PHEVとガソリンエンジン未来予測

国内自動車メーカーの関係図

 

トヨタは既にマツダ、スズキ、スバルに相合出資、ダイハツを子会社、国内トラックメーカー、バスメーカーまで出資しています。欧州のBMWとも提携、IT企業のNTT、ソフトバンクとも提携。トヨタ王国を築き上げました。

国内で残された自動車メーカーの連合がホンダを中核に、ニッサン、三菱自動車連合です。3社合わせた販売台数は813万台、世界3位のビッグメーカーの誕生となります。残念ですが、あまりワクワク感のない合従連携です。

 

世界の自動車グループ販売台数2023年

 

特にニッサンは何回も決算の下方修正をしています。最大の市場である北米で粗利益9割減は、値引きによる在庫処理でなんとか赤字を免れた決算でした。ホンダは二輪車の世界で圧倒的世界一企業です。その上、小型飛行機は三年先まで予約が埋まっている魅力的な有望市場です。トヨタもマリン事業のクルーザーは好調に推移しています。ドローンメーカー、飛行機メーカーにも出資し、強い影響力を保持しています。

ホンダ、ニッサンの株式評価による*三角合併を現在価値でデューディリジェンスしますと、ホンダ5に対しニッサン1ぐらいになると思います。それでも、株価時価総額は9兆円程度です。

その上、ニッサンは固定費の大幅削減をやる必要があります。9,000名のリストラ、社長及び経営陣の役員報酬の大幅見直しなど、体質改善が急務です。ニッサンリバイバルプランでV字回復させたカルロスゴーンも、ニッサン社員を一つにまとめ、人徳で導いた志賀俊之氏も既にニッサンを退職しています。頭脳明晰でヒット商品を次々と生み出した関潤氏も、既にホンハイグループのEVのトップで市場を虎視眈々と睨んでいます。

ホンダは創業以来、技術系の人財がトップを務める[やってみなはれ]の開発型の文化です。

ニッサンは組合が強く、組合との折り合いをつけるために社内政治で疲弊してきました。優等生型の官僚的組織の文化です。ホンダニッサンの文化の違いを乗り越えて、OTAを開発し、バッテリーEVの人気車種を創り出すことは、かなり厳しいと思います。

成功の兆しが見えたら、異業種のビッグテックによる仁義なき敵対的買収もあります。第二、第三の国境を越えた買収はこれから始まります。テスラ、BYD、世界の自動車メーカーは全てトヨタ包囲網を築き、バッテリーEVにシフトしました。バッテリーEV車はバッテリーの発熱による火災事故が多く、特に中国ではEV車の墓場が至る所にあります。また、寒冷地ではバッテリーの能力が8割減、急速充電器も一年程度で壊れます。なかなか苦戦を強いられています。補助金なしのバッテリーEV車で利益を出せる会社は、現在テスラしかありません。

最大の課題は大型バッテリーの耐久性と、劣化が激しく重量が重いことです。結果として航続距離が短く、バッテリー交換が1年毎にきます。バッテリーEV車は同程度のガソリン車より250kgから350kg重いため、タイヤ交換までガソリン車の三倍摩耗します。

一方、トヨタはエンジン+モーター+外部充電(プラグイン:家庭のコンセントから充電)が大ヒット。北米、北欧、欧州全て人気車No.1となりました。バッテリー開発にも力を注ぎ、テスラのバッテリーを開発したパナソニックと、新たなバッテリーを開発しています。既にアメリカにもバッテリー工場新設の予算2兆円を計上しています。ホンダもLGグループと組み、アメリカにバッテリー工場新設の予算1兆円を計上しています。SONYとも提携し、新たなバッテリーEV車を発表しました。

アニメコンテンツ見放題、世界の7言語までオープンAI(ドラえもん)が対応してくれます。

全世界の環境EV車の占める割合は、総販売台数の18%です。そのうちバッテリーEVが65%、プラグインハイブリッド(PHEV)が35%です。専門家の予測ですと、PHEV車は2026年には市場シェアが40%を超えると言われています。全欧でPHEVをトヨタがBMWにノウハウを提供してPHEVを売りに出せば、面白い展開となります。

ガソリン車では、パワー・燃費性能とも日本の内燃機(エンジン)が優れています。ガソリン車でもハイブリッドが人気です。寒冷地、灼熱の環境でも安心して長距離を走る車は、エンジン車です。ここでも日本の四駆が圧倒的にシェアをとっています。

ガソリン車はアフリカ、中東、インド、山岳地帯では、日本の四駆の中古車は引く手あまたです。最高の環境適応車は水素エンジン車です。マフラーからわずかな水滴を出すだけです。

しかし、車のインフラである水素ステーションは投資額が大きいです。テロの心配もあります。理論上は、水素で電気を造り、車も家電も照明も全てを持続可能な循環型の町を造ることはできます。静岡県裾野市で既に街を造る、ランドスケープから無人運転(L4)まで実証実験中です。(Woven City by TOYOTA)幹線道路は地下にあり、地上は緑豊かな丘とのどかな茶畑でした。2023年に視察に行きましたが、持続可能な循環型未来都市が裾野市にありました。

 

*三角合併とは、(さんかくがっぺい)とは、3つの企業が関わる合併の仕組みです。

  • A社がB社を合併するとき、普通ならA社の株式をB社の株主に渡します。
  • しかし三角合併では、A社の親会社C社の株式をB社の株主に渡します。

このように、合併する会社(A社)、合併される会社(B社)、そして株式を提供する会社(C社)の3社が関わるため、「三角合併」と呼ばれます。日本では、2007年の会社法改正によって認められるようになりました。

 

すべての業界で求められる経営とは即断即決即実行~3S spirit

テスラ、BYD、ソフトバンク即断即決即実行のワンマン経営です。トップの個性が光ります。台湾系米国企業もワンマン経営です。ホンダもトヨタもSONYもパナソニックもベンチャー精神で大企業に上り詰めました。「やってみなはれ」の精神です。

「TRY & ERROR. Fail Fast, Learn Faster. 」早く失敗して、早く学ぶ。この繰り返しができるビジネスリーダーをDOERと表現します。3S spiritが成功の必修条件です。3S spiritが未来を創ります。

(上記は、萩原大巳個人の所見です)

 

ホンダと日産の経営統合が注目される背景

ホンダと日産という日本を代表する自動車メーカーの経営統合が注目を集めています。その背景には、グローバル市場での競争激化や、電動化・自動運転技術の進展による事業環境の変化があります。特に、自動車産業はかつてないほどの大変革期を迎えており、莫大な開発投資が必要とされています。その中で、大手メーカーであるホンダと日産は、それぞれ単独での生き残りが厳しくなっていると考えられています。

また、日産はルノーとの提携を通じて経営再建を進めてきましたが、近年の業績不振や企業統治問題が重なり、単独での競争力を失いつつあります。一方、ホンダは収益基盤が安定しているものの、電動化への対応を加速するためにパートナーシップの必要性を模索しています。このような状況下で、両社が経営統合を進めることで、新たな成長戦略を描けるのではないかとの期待が高まっています。

さらに、グローバル市場における競争環境の変化も無視できません。特に、中国やインドなどの新興市場では、地元メーカーが急速に成長しており、これらの市場でのシェアを確保するためには、規模の経済を活かした戦略が求められます。ホンダと日産の統合は、こうした新興市場での競争力を強化するための重要な一手となるでしょう。

 

経営統合における主な課題

経営統合には期待だけでなく、多くの課題が伴います。ホンダと日産は、それぞれ異なる企業文化を持つため、統合後の組織運営において摩擦が生じる可能性があります。ホンダは「ものづくり」の精神を重視し、独自性を追求してきた企業である一方、日産はルノーとの提携を通じて効率性を重視する経営スタイルを採用しています。このような文化的な違いが、統合後の調整において障害となる可能性があります。

さらに、商品ラインナップや販売ネットワークの重複も課題です。両社の製品群には多くの共通点があり、統合後に競合するモデルが存在することが予想されます。その結果、ブランドイメージの希薄化や販売チャネルの混乱が懸念されています。特に、国内市場におけるディーラー網の再編成は避けられない問題となるでしょう。

また、統合後の人材管理も重要な課題です。両社の従業員数は膨大であり、統合に伴うリストラや配置転換が避けられない場合があります。これにより、従業員の士気低下や労働組合との対立が生じる可能性があります。特に、技術者やエンジニアといった専門職の流出は、企業の競争力に直結するため、慎重な対応が求められます。

 

ホンダが提示する条件と統合の実態

報道によると、ホンダは経営統合にあたり、日産に対していくつかの条件を提示しているとされています。その一つが「改革チェック期間」の設定です。統合の最終合意に至る前に、日産が財務改善やガバナンス改革を一定水準まで達成する必要があるとされています。この条件は、日産の再建が成功しなければ、統合がホンダにとって大きな負担となることを防ぐための措置と考えられます。

また、ホンダは技術面でのシナジー効果を重視しています。例えば、電動化技術や自動運転分野での共同開発を通じて、統合による競争力強化を目指していますが、これらの取り組みが実際にどの程度の成果を生むかは不透明です。特に、技術開発においては各社の戦略や優先順位が異なるため、調整には時間と労力が必要とされます。

さらに、ホンダは日産のブランド価値を維持するための施策も検討しています。日産は長年にわたり築いてきたブランドイメージがあり、これを損なうことなく統合を進めることが重要です。特に、日産のスポーツカーや高級車ブランドである「GT-R」や「インフィニティ」などのブランド価値をどのように維持・向上させるかが課題となります。

 

統合の行方と業界全体への影響

ホンダと日産の経営統合が実現すれば、日本の自動車産業全体に大きな影響を与えることは間違いありません。統合によって、両社は規模の経済を活かし、グローバル市場での競争力を強化することが期待されますが、統合が失敗に終わるリスクもあります。特に、電動化や自動運転といった次世代技術において、より効率的な開発が可能になるでしょう。

一方で、統合が失敗に終わるリスクもあります。統合後の運営において、企業文化の違いや市場戦略の調整が進まない場合、コストが増大し、両社の競争力が低下する可能性があります。また、日産の経営再建が不十分であれば、ホンダが実質的に日産を支援する形になり、ホンダの財務基盤にも悪影響を及ぼしかねません。

業界全体としても、ホンダと日産の統合は他のメーカーにとってのモデルケースとなる可能性があります。他社も生き残りをかけて提携や統合を模索する動きが加速するかもしれません。このように、ホンダと日産の経営統合は単なる企業間の提携を超えて、自動車業界全体に波及する重要なテーマとなっています。

さらに、統合が成功すれば、他の自動車メーカーも同様の動きを見せる可能性があります。特に、トヨタやマツダ、スバルなどの日本の自動車メーカーも、競争力を強化するために提携や統合を検討するかもしれません。これにより、日本の自動車産業全体が再編成され、新たな競争環境が生まれることが予想されます。

また、統合によって生まれるシナジー効果は、技術開発だけでなく、サプライチェーンの効率化やコスト削減にも寄与するでしょう。例えば、共通の部品やプラットフォームを使用することで、生産コストを削減し、価格競争力を高めることができます。これにより、消費者にとっても魅力的な製品が提供されることが期待されます。

最後に、ホンダと日産の統合が成功するかどうかは、経営陣のリーダーシップとビジョンに大きく依存します。両社の経営陣が統合の意義を共有し、共通の目標に向かって協力することができれば、統合は成功するでしょう。しかし、内部の対立や戦略の不一致が生じれば、統合は失敗に終わる可能性があります。したがって、経営陣のリーダーシップとコミュニケーションが重要な鍵となります。

 

おわりに

ここまで、自動車業界の現状や海外展開、関税の影響などについて簡単にまとめてきました。日本が誇る製造業の代表である自動車産業は、国内外での競争力を維持しながら、今後も経済に大きな影響を及ぼすことが予想されます。

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さらに、ビジネス拡大を目指した新店舗出店や新オフィス開設のご相談まで、ワンストップでサポートさせていただきます。オフィス環境の改善や最適化を通じて、働きやすさや生産性の向上を実現するお手伝いも可能です。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。
貴方の経営のヒントになれば幸いです。店舗づくりもオフィスづくりも人づくり、ビジネスは「地道にコツコツネチネチ」と磨き上げてください。

貴店および貴社の成功を心より祈願いたします。

 

 

萩原大巳

萩原 大巳 (Hiromi Hagiwara)

一般社団法人RCAA協会 理事
【協会会員】株式会社スリーエー・コーポレーション 代表取締役CEO

  • ワークプレイスストラテジスト
  • ファシリティプロジェクトマネージャー

オフィス移転アドバイザーとしての実績は、600社を超える。原状回復・B工事の問題点を日経セミナーで講演をする。日々、オフィス・店舗統廃合の相談を受けている。オフィス移転業界では、「ミスター原状回復」と呼ばれている。